◆治療頻度
従来の皮下免疫療法と違い、毎日の抗原エキス使用が肝要です。スギ花粉症は春の季節以外は症状が乏しく忘れてしまいがちですが、それでは効果が不十分になってしまいます。加えて数日以上中断してしまうと、再開時に使用する抗原エキス量の再調整が必要になるので注意しましょう。
舌下免疫療法とはスギ花粉症、ダニアレルギーの症状緩和・軽減を目的とした治療法です。アレルギーの原因物質(アレルゲン)を含むエキスを舌の下に投与し、体内に吸収させる方法です。自宅でできるので、注射の痛みがなく通院の負担も少なく、また、全身におよぶ副作用の発現率も低いという安全性から、注目されています。全員に効果があるわけではありませんが、現状では唯一の花粉症を治し得る治療法とされています。
治療薬を舌の下に置き、おくすりごとに定められた時間含んだあと、飲み込みます。その後5分間はうがい・飲食を控えます。
従来の皮下免疫療法と違い、毎日の抗原エキス使用が肝要です。スギ花粉症は春の季節以外は症状が乏しく忘れてしまいがちですが、それでは効果が不十分になってしまいます。加えて数日以上中断してしまうと、再開時に使用する抗原エキス量の再調整が必要になるので注意しましょう。
アレルギーに体を慣らし、さらに抗原に反応しなくなるまでには長い時間がかかります。治療期間は最低3年間、できれば4~5年が必要と考えられています。治療を始めてすぐに効果が出るものではないことを理解し、気長に根気強く治療を続けていくことが大切です。
この薬は合成薬ではなく、自然界にあるスギ木の花粉から薬用に成分抽出されています。そのため、薬害は無いと考えられますが、理論的には舌下直後にアナフィラキシーとよばれる強いアレルギー反応を起こす可能性があります。
つまり、花粉にアレルギーがある患者さんに花粉で治療するわけですから、口にスギ花粉を入れることによりアレルギー反応が起こる可能性があります。このような反応を副作用と呼ばず、副反応と呼びます。これまでの海外での実績で重篤な副反応はきわめて稀であり、従来の注射による方法よりもかなり安全とされます。
しかし、軽い副反応はありますので、治療時にはよく理解する必要があります。軽い副反応は、決して怖いものではありません。よく理解していただければ、安全に行なえます。
治療を受けるためには、スギ花粉の花粉症、またはダニによる通年性アレルギー性鼻炎の診断が確定していることが前提になります。ほかのアレルギーに対する直接的な治療にはなりません。 現在、下記のケースにあてはまる方は、治療が受けられない、もしくは医師への相談が必要とされています。
舌下免疫療法ができないケース
持病に重症のぜんそくがある | |
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年齢が5歳未満(スギ花粉舌下液) | |
過去にアレルゲン免疫療法中にショックを起こしたことがある | |
妊娠中、もしくは授乳中 |
舌下免疫療法の適否に医師の判断が必要なケース
悪性腫瘍や自己免疫疾患など免疫の異常を伴う疾患がある | |
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特定の抗うつ薬等一部薬剤を使用している |